2026年5月28日リリースのCapture One 16.8は、大型アップデートとして登場。高ISO画像のノイズ低減を大幅に向上させる進化したデノイズ機能 強化ノイズ除去、有線接続に迫る速度を実現したCanonカメラ向け 2nd Gen Wireless Tethering(第二世代ワイヤレス・テザリング)、そして目つぶり・ピンボケした目・黒フレームを自動的に検出し、編集手作業を軽減する自動選別機能 補助レビュー(Beta版)を導入しました。
プレビューが準備でき次第 は、画像を受信した瞬間にスクリーンに表示し、AI補正はバックグラウンドで動作し続けます。ReTether は操作性向上のための改善が行われ、Canonカメラのワイヤレス撮影にも対応するようになりました。
本リリースでは、Studio for TeamsおよびStudio for Enterpriseのアップグレードに Actions を導入しました。これにより、Capture One内から直接サードパーティのクリエイティブ・サービスを起動し、Pixelz、Photoroom、Geminiへの画像受け渡しが可能になりました。さらにStudio for Enterpriseには新たに Web-Based Admin Portal(ウェブベース管理ポータル)が追加され、ITシステム管理者やスタジオ・マネージャーが、Capture Oneの導入、アクセス管理、ライセンス管理を、ウェブ上の一つの管理画面から組織全体にわたり一元的に行うことができるようになりました。
Canon EOS R6 V、Panasonic DC-L10、Phase One IXM-RS250 への対応も追加しました。
Capture One 16.7以前で作成されたセッションやカタログをCapture One 16.8で開く際には、アップグレードが必要です。アップグレード後は、バックアップから復元しない限り、旧バージョンで開くことはできなくなります。セッションやカタログのアップグレード、およびバックアップからの復元の詳細はこちら: セッションのアップグレード、 カタログのアップグレード、 バックアップからの復元。
目次
新機能
強化ノイズ除去
進化したデノイズ機能 強化ノイズ除去 は、ノイズ低減ツールの新しい拡張機能で、自然な肌の質感や精細なディテールを保ちながら高ISO画像のノイズを抑えます。Impact スライダーで低減の強度を調整します。デフォルト値50では、画像に自然な粒状感と質感を適度に残した仕上がりとなります。値を上げるとよりクリーンな描写になり、逆に下げると元画像に含まれていた色ノイズを持ち込むことなく、モノクロームの粒状感のみを再導入し、フィルムのような質感を実現できます。
処理には一定の時間を要しますが、作業の邪魔をすることはありません。最終画像はバックグラウンドで生成されるため、完了するまで他の画像のセレクトや編集作業を継続できます。また、強化ノイズ除去を Style に保存してすばやくアクセスしたり、大量の画像を扱う場合は、「コピー&適用」を使って撮影全体に同じ設定を一括適応することも可能です。
強化ノイズ除去 はISO 3,200以上の高感度撮影時において最も効果を発揮します。低いISO設定では、従来のノイズ低減スライダーの使用を推奨します。現行バージョンではBayer配列RAWファイルのみに対応しており、X-Trans(Fujifilm)、モノクロ、リニアRGB RAWファイル、およびJPEGには対応しておりません。なお、X-Transへの対応は今後のリリースで追加予定です。
強化ノイズ除去 は均一なノイズ分布を前提としています。そのため、周辺光量補正など、カメラ独自の局所的なRAW調整を適用すると、ノイズ分布が不均一となるため、意図しない結果が生じることがあります。
強化ノイズ除去の詳細はこちら: 強化ノイズ除去。
2nd Gen Wireless Tethering for Canon
対応するCanonカメラでケーブル不要のワイヤレス撮影を行うと、完全に編集可能なRAWファイルを有線接続に迫るスピードで転送できます。Canonとの共同開発によるこの機能は特許出願中で、プロの撮影環境におけるワイヤレス・テザリングの操作性を大きく向上させるものです。
シャッターを切ると、カメラは小容量RAWファイルをワイヤレス・ネットワーク経由で送信します。このファイルはCapture Oneにすばやく表示され、すぐに完全な編集が可能です。マスク、クロップ、AIツール、その他すべての編集ツールが受信した瞬間から利用できます。その後、フル解像度のRAWファイルは背後で分割転送され、新たな撮影をブロックすることなく自動的に統合されます。
接続が途切れた場合、Capture Oneは自動的に再接続を行います。ReTether は、このワイヤレス・テザー撮影に対応するよう拡張されています。詳細は ワイヤレス対応によるReTetherの改善 の項をご参照ください。また、フル解像度RAWファイルの転送が完了しなかった場合でも、小容量RAWファイルは引き続き編集および書き出し可能です。
この新しい高速モードは、対応するCanonカメラ本体がメモリーカードを装着した状態で接続されると、自動的に有効になります。カメラ設定 ツール内で切り替えることも可能です。本機能は既存のワイヤレス・テザー撮影機能を拡張するものです。設定手順については Canon wireless tethering setup guide(Canonワイヤレス・テザリング設定ガイド) 記事をご参照ください。
対応カメラ:Canon EOS R5 Mark II および Canon EOS R1。
詳細はこちら: 2nd Gen Wireless Tethering for Canon(Canon向け第二世代ワイヤレス・テザリング)。
補助レビュー (Beta)
セレクト作業は、ポートレート撮影ワークフローの中で最も反復性の高い工程です。自動選別機能 補助レビュー はAIを活用し、目つぶり、ピンボケ、露出不良などの技術的な問題を自動的に抽出します。これにより、撮影を迅速に確認でき、本来注目すべきカットに集中することが可能になります。
補助レビューを有効にすると、Capture Oneは選択された画像を解析し、問題が検出された場合はタグを付けます。タグは Browser 内で直接フィルタリングに使用できるほか、Smart Albums(スマートアルバム)の条件設定にも利用可能です。星評価やカラータグと組み合わせて運用できます。このツールは Library ツールタブ内に配置され、ユーザー自身のセレクト作業を補完する目的で設計されており、置き換えることは意図していません。
補助レビュー は16.8ではベータ機能としてリリースされます。現在、モデル精度および周辺のワークフローの改善に向けて、ユーザーからのフィードバックを積極的に収集しています。ツール内からは簡単なご感想フォームにアクセスできます。いただいたご意見はこの機能の今後の進化に直接反映されます。
詳細はこちら: 補助レビュー。
Actions
Actions ツールは、Studio for TeamsおよびStudio for Enterprise向けの追加機能として提供されています。撮影から公開までの工程において、手動でのファイル受け渡し、非連携のツール環境、複数のチームや外部サービス間で繰り返される引き渡し作業等によって、リードタイムが長くなる課題を抱える商業スタジオ向けに構築されています。AIはまた、撮影進行を妨げることなく現場のワークフローに組み込むことが難しかった、新たな創作の可能性も切り開きつつあります。
Actionsはこれらの課題を解決します。画像が取り込まれて処理されると、Actionsはサードパーティのクリエイティブ・サービスを自動的に起動し、プレビューや最終画像をリアルタイムでCapture Oneに戻します。また、Capture Oneを離れることなく、Pixelz、Photoroom、Geminiなどの連携サービスへ画像を一括送信できます。
スタジオ・マネージャーはアカウントの管理者ダッシュボードからActionsを一元的に設定・展開します。設定完了後、会社プランに所属するフォトグラファーやアシスタントは、画像にActionsを関連付けて書き出しを実行するだけで、対応するサードパーティのワークフローを起動できます。
詳細はこちら: Actions。
Web-Based Admin Portal
Studio for Enterpriseで利用可能な Web-Based Admin Portal は、大規模なCapture One運用を行うITシステム管理者やスタジオ・マネージャー向けに構築されています。従来、ワークステーション間におけるアクセス管理、導入展開、バージョン統一はCompany Mode、config files、そして手作業での調整に依存してきました。
Admin Portal はこれらすべてを単一のウェブ・インターフェースに集約します。管理者はひとつの画面から、ユーザー招待、ライセンス割り当て、デバイス認証の管理を行えるほか、利用可能なCapture Oneのバージョン制御とアップデートの配信方法を設定し、組織全体のバージョン配布状況が確認できます。Company Modeとconfig filesは不要となりました。
管理者はCapture OneアカウントにサインインしAdmin Portalに直接アクセスします。複数のStudio for Enterpriseプランを持つ組織では、Administrator Dashboard(管理者ダッシュボード)が表示され、全プランにわたるユーザー数、デバイス状況、バージョン配布状況を一覧で確認できます。その後、各プランにアクセスし、専用の Overview(概要)、Download(ダウンロード)、Users access(ユーザーアクセス)、Version control(バージョン管理)、Admins management(管理者管理)、License information(ライセンス情報)の各エリアを通じて詳細な制御が行えます。
詳細はこちら: Web-Based Admin Portal(ウェブベース管理ポータル)。
Color Editor設定のAppleScript対応拡張
全バリアントおよびレイヤーの `adjustments` にある `color editor settings` プロパティに、`basic color correction` および `advanced color correction` エレメントが追加されました。これにより、スクリプトからColor Editorの設定を直接読み取ったり調整したりできるようになりました。
Basic補正は数が固定されているため、名前またはインデックスで指定します。Advanced補正はより柔軟で、必要に応じて作成・削除でき、作成時にプロパティを直接渡すことも、作成後に1つずつ変更することも可能です。Skin Tone補正は現時点ではAppleScriptから直接サポートされていません。ただし、既存の機能として、あるバリアントまたはレイヤーの `adjustments` 内の `color editor settings` 全体を別のバリアントまたはレイヤーに割り当てることで、Color Editorのすべてのプロパティを一括コピーすることは可能です。
各プロパティの値の範囲は、Color Editorツール内の対応するスライダーと同じです。
詳細はこちら: Capture One Workflow Automation with AppleScript(Capture OneのAppleScriptによるワークフロー自動化)。
ユーザー体験とパフォーマンスの改善
AI補正によるテザリングの高速化
テザー撮影時に、マスクやレタッチなどの重いAI補正を使用すると、ショット間の画面表示に遅延が生じることがあります。プレビューが準備でき次第 は「Camera > Auto Select New Capture」メニュー内で利用できる新モードで、この問題を解消します。撮影直後に、色調整済みのシャープな画像を即座に Viewer に表示しつつ、時間のかかる調整はバックグラウンドで実行され、完了後に各画像へ自動適用されます。
これにより、チーム全体が撮影内容を遅延なく確認でき、キャプチャー設定 で設定した補正内容を維持しつつ、継続的なワークフローを確保します。
プレビューが準備でき次第 は16.8ではデフォルトの選択モードとなり、インストール時に既存の設定を上書きします。
詳細はこちら: Selecting the appropriate capture preview(適切なキャプチャープレビューの選択)。
ワイヤレス対応によるReTetherの改善
ReTether は、より快適な使用体験を提供するためにアップデートされ、対応するCanonカメラにおいては、新しい 2nd Gen Wireless Tethering 機能をサポートします。
新たに追加されたツールバー・ボタンにより、環境設定や カメラ設定 を開くことなくReTetherを有効・無効に切り替えられるようになりました。ツールバーを右クリックし、Customize を選択することで追加できます。
カメラ ツールには、新しい進行状況指示バーを加えました。ここでメモリカードのスキャンとファイル転送の進捗が表示されるため、現在の処理状況を常に把握することができます。
2枚のメモリーカードを使用しているCanonカメラで、ReTetherの使用によって重複ファイルが生成されることはなくなりました。
2nd Gen Wireless Tetheringの導入に伴い、ReTetherはCanonカメラのワイヤレス・ワークフローへの対応が強化されました。新しいエンジンは接続中断時にも安定した動作を実現します。接続切断からの自動復旧、転送キューの整理維持、さらに、不完全なファイルを完全なものに置き換える際に、適用済みの編集内容、クロップ、メタデータを乱すことなく処理を行います。また、有線テザー撮影も恩恵を受け、接続切れの発生が減少し、一時的な切断後復旧性能が向上しています。
詳細はこちら: ReTether。
カメラ対応
- Panasonic DC-L10:ファイル対応。
- Canon EOS R6 V:有線テザー、無線テザー、Live View、ReTether対応。
- Phase One IXM-RS250:有線テザー、無線テザー、Live View対応。
対応するカメラモデルとRAWファイルの詳細はこちら: Camera Models and RAW Files Supported by Capture One(Capture Oneで対応するカメラモデルとRAWファイル)。
レンズ対応
- Canon RF 20-50mm F4 L IS USM PZ
詳細は Capture One のレンズ対応 をご参照ください。
システム要件
最小システム要件
- macOS 14〜macOS 26(macOS 14.8.7、15.7.7、および26.5にて動作確認済み)
- Windows 10 64-bit 22H2(ESU対応版)またはWindows 11 23H2〜Windows 11 26H1(Windows 10 64-bit 22H2(ESU対応版)およびWindows 11 26H1にて動作確認済み)
- Intel Core i3(第1世代)、AMD Jaguar Family CPU、Apple Silicon M1またはA18 Pro、Qualcomm Snapdragon X Elite
- 8 GB RAM
- 10 GB以上の空きディスク容量
- 1280×800、24ビット解像度対応のキャリブレーション済みモニター
- Capture One Liveおよびその他のクラウド・サービスにはインターネット接続が必要です
注意:SSE4.2 CPU命令セットが必要です。詳細は Intelのウェブサイト をご参照ください。
4Kモニター
4Kモニターで最適なパフォーマンスを得るには、処理負荷の増大に伴い、基本システム要件の2倍程度の性能を推奨します。さらに、これらの構成では、高い負荷のかかるグラフィック処理に対応するため、十分なVRAMを備えた高性能GPUの導入を強くお勧めします。
Capture Oneのシステム要件とOSサポートの詳細はこちら: Capture One System Requirements and OS Support(Capture Oneのシステム要件とOSサポート)。
Capture One のダウンロード・インストール・アップデート
Capture Oneのダウンロード、インストール、アップデートはこちら: Download, Install, and Update Capture One(Capture One のダウンロード・インストール・アップデート)。
推奨事項と制限事項
注意:ここに記載された情報は変更される場合があり、また意図しない誤記が含まれる可能性があります。ご質問や詳細についてはこちらにお問い合わせください: https://support.captureone.com/
一般的なガイドライン
- 未対応の画像ファイルを含むフォルダを閲覧すると、アプリケーションのパフォーマンスに影響を及ぼす場合があります。
- 旧バージョンのCapture Oneで生成されたプレビューが更新される場合があり、本バージョンで初めて画像を表示する際に、アプリケーション・パフォーマンスに影響することがあります。
- US配列以外のノートパソコン・キーボードを使用している場合、標準キーボード・ショートカットを一部変更する必要が生じることがあります。
- Adobe Photoshop以外の外部アプリケーションで画像を編集すると、予期しない動作が生じることがあります。
- 仮想化ソフトウェア(Parallels、Hackintosh等)上での運用は、動作が不安定になる場合があります。これらのOS構成は推奨しません。
- 一部のカメラは、多重露光やピクセルシフトによるマルチショット機能を提供しています。多くの場合、そのような機能はCapture Oneでは利用できません。ただし、「スタック」からの単一RAWファイルについては、通常の単写モードで撮影した画像同様、Capture Oneで表示・編集できる場合があります。
- 特殊撮影モードや補助モード(ピクセルシフト等)は記載がある場合のみサポートされます。ここで提供されている情報が不十分な場合、またはCapture Oneの対応状況について具体的な情報が必要な場合は、Capture One Supportまでお問い合わせください:captureone.com/support
ファイル対応
- HEIC/HEIF対応:Capture Oneはオペレーティング・システム側でサポートされている範囲において、HEIC/HEIF 8ビットファイルに対応しています。Windowsコンピューターをお使いの場合、Capture Oneでのサポートを有効にするためにMicrosoftより「HEVC Video Extensions」と「HEIF Image Extensions」の2つの拡張機能をダウンロードする必要がある場合があります。
- Capture One DNGカラー:Capture Oneでネイティブ対応しているカメラ機種から生成されたDNGファイルには、デフォルトでその機種固有のCapture Oneカラーが適用されます。Capture Oneでネイティブ対応していないカメラ機種のDNGファイルには、汎用のDNG Standardカラーが適用されます。またDNGファイルに埋め込まれた他のアプリケーション由来の調整情報や補正設定には対応していません。
- その他のファイル対応:RGBカラースペース以外のTIF/JPG/PSD/PNGファイルはCapture One内で調整できず、読み取り専用で扱われます。レイヤーを含むTiffおよびPSDファイルは表示目的に限りサポートされます。画像を再処理すると、新たに統合済みのフラット化された画像が生成されます。
- ファイルサイズの制限:表示可能な最小ファイルは最短辺16ピクセルで、編集可能な最小ファイルは最短辺512ピクセルです。サポートされる最大ファイルは715メガピクセル、または長辺65,000ピクセルまでとなります。
既知の問題
- 既知の不具合の一覧は、 Known Bugs(既知の不具合) というタイトルで、コミュニティ・フォーラムの専用トピックで確認できます。なお、このリストは、新しいCapture Oneバージョンのリリース時点では最新情報に更新されていない場合があることにご注意ください。
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