2026年4月3日リリースの Capture One 16.7.4 では、新機能Negative Film Conversion(ネガフィルム変換)を導入し、変換工程のワークフローを一元化しました。また、Pick Neutralize Point (中立点指定)専用カーソルをツールに搭載、Contact Sheets(コンタクトシート)の機能改善、Sigma BF とOM-Systems 14bit RAWs への対応、各種不具合修正を加えました。
新搭載の ネガフィルム変換機能では、Base Characteristics (基本特性)ツールモードを追加。専用の フィルム変換ワークスペースを用意し、新設のツールタブとネガ変換用ツールバー・ボタンにより、ネガ反転や階調補正の工程をスピードアップしました。
Capture One 16.7.4 は、従来の 16.7 系リリースで作成された セッションやカタログと下位互換性を有しております。一方、Capture One 16.6.6 以前のバージョンで作成されたデータは、16.7.4 で開く際にアップグレードが必要となります。なお、一度アップグレードされた作成データは、バックアップから復元しない限り、旧バージョンで開くことはできません。詳細は、 Upgrading a Session, Upgrading a Catalog, Restoring from backup をご参照ください。
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Table of contents (目次)
- New features and functionality (新機能および機能拡張)
- 操作性およびパフォーマンスの向上
- カメラ対応
- Lens support
- 不具合修正
- システム要件
- Capture One のダウンロード、インストールおよびアップデート方法
- 推奨事項および制限事項
New features and functionality(新機能および機能拡張)
ネガフィルム変換機能
Base Characteristics モード
Base Characteristics (基本特性)ツールに、新たにモードのオプションが加わり、Photographyモードとネガフィルム処理モードとの切り替えが可能になりました。
ネガフィルム・モードを選択すると、Capture One はネガスキャン専用の処理パイプラインへと切り替わります。本モードでは、画像の反転処理に加え、各種ツールの挙動および処理順序が最適化されるよう設計されています。
また、本モードでは トーンカーブ は「自動」に固定され、新たに設計されたデフォルトのカーブが適用されます。このカーブは、ネガフィルムから最大限の階調情報を抽出するように設計され、一貫性のある変換結果と適切な階調再構築を確保するために必要な仕様です。
ICCプロファイルは任意に変更可能です。
ネガフィルム・モードは画像単位で適用されます。そのため、同一のセッションまたはカタログ内において、通常の Photography モード画像と混在させて管理することが可能です。
詳細は、 The Base Characteristics panel overview をご参照ください。
ネガフィルム・ワークスペース、ツールタブ、およびUIの変更
新たにネガフィルム・ワークスペース が追加されました。[Window > Workspaceで選択]
本ワークスペースには、「スキャン」および「ネガ変換」の新しいツールタブが含まれており、それぞれに最適化したツールを集約しています。
新設された ネガ変換ツールバー・ボタンにより、ネガ変換を迅速に開始できます。ワンクリックすると:
- 画像を ネガフィルム・モードへ切り替え
- Auto Levels(自動レベル補正) を適用して黒点と白点を設定し、階調領域を最適化
この新しいツールタブとツールバー・ボタンはネガフィルム・ワークスペース外でも利用可能です。ツールタブを任意のワークスペースに追加する場合、ツールパネル右上の縦三点メニューから設定できます。ツールバーを右クリックし、ツールバーをカスタマイズする…オプションを選択してください。
詳細は Tool Tabs overview および Customizing toolbar をご参照ください。
反転処理されたネガ画像には、「Viewer」および「Browser」のサムネイルに小さなインジケーターが付され、通常の Photography モード編集画像とは容易に識別できます。
詳細は Thumbnails Icons をご参照ください。
ネガフィルム環境設定
ネガフィルム専用のアプリケーション環境は、設定> 露出タブ内で設定できます。これらの設定自体は従来からあったものですが、今回Photography モードと ネガフィルム・モードに分割され、それぞれ個別に設定できるようになりました。
- 出力レベルの設定:シャドウやハイライトの出力レベルに目標値を設定できる機能。この目標値は自動レベルの適用時もネガ変換ボタンの使用時にも反映され続けます。
- クリッピング判定閾値:ヒストグラムを拡張する際に、自動レベル補正ツールと ネガ変換ボタンが、どの程度の閾値でクリッピングを判断するかを制御します。
これらの設定には、一般的なネガフィルムに適した既定値があらかじめ用意されています。
詳細は Capture One Preferences/Settings: The Exposure tab をご参照ください。
ワークフローに関する推奨事項
詳しい手順および追加情報については、 Negative film conversion の記事をご参照ください。
ネガフィルムのワークフローは、カメラスキャン(テザー撮影)およびインポートしたスキャンファイルの両方に対応しています。
推奨スキャン手順
- 撮影前に Live View を使用してフィルムの位置合わせを行う。
- ホワイトバランススポイトでフィルムベース(未露光部分)をサンプリングし、その値にカメラのホワイトバランスを固定する。
- Base Characteristics では Photography モードのままにし、トーンカーブ を リニアレスポンス に設定。
- ハイライトがクリッピングしない範囲で、可能な限り右側に寄せて露出する。その際、露出警告を使用する。
- これらの設定をロール全体に適用するため、Next Capture Adjustments を使用する。
ポジ画像への変換
- フィルムベースをホワイトバランススポイトでサンプリングする(未実行の場合)。
- フィルムの縁をクロップする。
- ネガ変換をクリックする。
バッチ処理ワークフロー
- テザー撮影時は、最初のフレームに ネガ変換を適用し、Next Capture Adjustments を使用することで、スキャン中にポジ変換のプレビューを表示できます。
- 複数の画像を選択し、ネガ変換をクリックすることで、一括変換が可能です。
最良の結果を得るための主要ツール
- Base Characteristics(ネガフィルム・モード): ネガフィルム・モードは、完全な手動ワークフローにも使用できます。適正露出のネガは補正前には濃くコントラストが低く見えることが多いため、ネガフィルム・モードへ切り替えただけでは、Levels 調整前の段階で画像が暗く見える場合があります。
- 露出:ネガフィルム・パイプラインでは、露出の調整は Levels より前に適用されます。最良の結果を得るには、適正露出でスキャンを行うようにして、変換後に露出を調整することは避けてください。全体の明るさ調整には Brightness を使用します。
- ホワイトバランス:ホワイトバランスは、オレンジマスクを中和するためにフィルムベースから取得します。画像内をサンプリングすると、予期しない色変化が生じる場合があります。追加補正には 中和ツールまたは カラーバランス を使用します。
- クロップ:フィルムの縁をクロップすることは基本です。自動レベル補正および ネガ変換は、表示されているクロップ範囲に基づいて処理を行います。未露光のフィルム縁が含まれていると、変換結果が大きく歪む可能性があります。
- レベル補正:Levels はネガ変換の中心的な役割を担い、ヒストグラムを拡張して適切なコントラストと階調領域を確立します。ネガフィルム・モードでは、自動レベル補正は 赤・緑・青 の各チャンネルを個別に調整します。変換後に強い色被りが見られる場合は、Levels で各 RGB チャンネルを確認し、クリッピングや白点設定の誤りがないかを見直します。
対応ファイル形式
- ネガフィルム・モードは RAW ファイル向けに最適化されており、TIFF、JPEG 等にも対応していますが、埋め込まれた色調整の影響によって結果が異なることがあります。
制限事項および未対応ツール
一部のツールは ネガフィルム・パイプライン内で異なる結果を示すため、使用できないものもあります。
- 被写体、背景、人 マスク:は正確に機能しない場合があります。前二者はフィルム全体を被写体として認識する可能性があり、人マスクは使用できません。
- ハイダイナミックレンジ(HDR)ツール:無効
- レタッチツール:無効
- デハイズツール: 無効
- マッチルック: 反転済みネガを含む任意の画像を参照画像として使用できます。ネガフィルム画像に適用する場合は、Normalize(露出とホワイトバランス)および Levels(インプット)を無効にすることを推奨します。これらはネガ変換処理に干渉する可能性があります。
代替手段
- HDR ツールに類似した調整は、トーンカーブ、特に Luma カーブを使用することで実現できます。
- 被写体/背景/人マスクおよび レタッチなどのツールを使用する場合は、ネガ変換後にポジ TIFF として書き出し、再度 Capture One に読み込みます。再インポートされた画像は Photography パイプラインを使用するため、これらのツールが利用可能になります。
Pick Neutralize Point (中立点指定)
新たに 中立点指定カーソルツールがツールバーに追加されました。カーブツールで統合RGB タブ(個別チャンネルではない)を選択した際に表示される 中立点指定ツールのドロップダウンメニューからも利用できます。
中立点指定カーソルツールを使用すると、画像内の任意のポイントをクリックすることで、その部分の色を中和できます。選択したポイントは、赤・緑・青 の各値が L(輝度)値と一致するように調整され、その領域の色かぶりが効果的に除去されます。
本ツールを適用すると、補正を実行するために赤、緑、青それぞれのカーブ上に対応するポイントが自動的に作成されます。調整は個別チャンネルのカーブを直接変更するため、事前にそれらのカーブに対する既存の編集がある場合はリセットする必要があります。チャンネル別カーブ調整が存在する場合は、警告が表示されます。
最良の結果を得るためには、中立点指定ールは本来中立色であるべき領域で使用します。ヒストグラムの極端な明部または暗部では精度が低下するため、それらの領域の選択は避けてください。
詳細は Curves tool overview をご参照ください。
AppleScript におけるネガフィルム処理モードへの切り替え
新しい ネガフィルム処理モードは、Base Characteristics ツール内の ネガフィルム・モードに対応しています。
例:
set processing mode to film negative
詳細は Capture One Workflow Automation with AppleScript をご参照ください。
User experience and performance improvements (操作性およびパフォーマンスの向上)
コンタクトシートの改良
コンタクトシートの機能が強化され、作業効率および出力品質が向上しています。
PDF 書き出し時のファイルサイズが大幅に縮小され、共有およびアーカイブがより容易になりました。カバー、ヘッダー、およびフッター画像は保持される仕様となり、再挿入の必要がなくなっています。また、書き出し時の画像品質が改善され、より鮮明で安定した出力結果が得られます。
詳細は Contact Sheets をご参照ください。
Camera support (カメラ対応)
- Sigma BF: ファイル形式対応。.
- OM-Systems (対応済み全モデル):14ビット RAW ファイルに対応しています。
詳細は Camera Models and RAW Files Supported by Capture One をご参照ください。
Lens support (レンズ対応)
- Canon RF 14mm F1.4L VCM
詳細は Lens support in Capture One をご参照ください。
Bug fixes(不具合修正)
macOS
- 最近使用したドキュメントウィンドウが他のウィンドウの前面に残り続けるバグを修正しました。
- FUJIFILM GFX 100 II 接続中にオートフォーカスボタンを押すとキャプチャーが起動してしまうバグを修正しました。
Windows
- レイヤーをコピーしようとしていない場合でも、レイヤーのコピー動作について確認を求められるバグを修正しました。
System requirements (システム要件)
最低動作環境
- macOS 14 ~ macOS 26(macOS 14.8.4、15.7.4、26.3 でテスト済み)
- Windows 10 64-bit 22H2 with ESU ~ Windows 11 25H2(Windows 10 64-bit 22H2 with ESU および Windows 11 25H2 でテスト済み)
- Intel Core i3(第1世代)または AMD Jaguar ファミリー CPU / Qualcomm Snapdragon X Elite
- RAM:8 GB 以上
- 空きディスク容量:10 GB 以上
- キャリブレーション済みモニター(1280×800、24-bit カラー以上)
- インターネット接続が必要(Capture One Live やクラウドサービスの利用時)
- ※ SSE4.2 CPU 命令セットが必須です。詳細は Intel‘s websiteをご確認ください。
4K モニターについて
- 4K モニターで最適なパフォーマンスを得るには、処理負荷の増大に対応するため、上記の最低仕様を2倍に引き上げることを推奨します。
- また、強力な画像処理過程に対応するため、十分な VRAM を備えた高性能 GPU の使用を強く推奨します。
- 詳細はCapture One System Requirements and OS Supportをご参照ください。
Capture One のダウンロード・インストール・アップデート
Capture One 16.7.4 をダウンロード
手順についてはDownload, Install, and Update Capture Oneのページをご覧ください。
推奨事項および制限事項
※ ここに記載されている情報は予告なく変更される場合があり、意図しない誤りが含まれる場合があります。
ご不明点やご質問はhttps://support.caputureone.com/からご連絡ください。
一般的なガイドライン
- 未対応の画像ファイルを含むフォルダーを閲覧した場合、アプリケーションの動作性能に影響を及ぼすことがあります。
- 以前のバージョンで生成されたプレビューは、本バージョンで初めて画像を表示する際に更新されることがあります。これにより、一時的に動作速度が低下する場合があります。
- US(英語)以外のキーボードを搭載したノートパソコンをご使用の場合、標準設定のキーボードショートカットの一部を変更する必要が生じることがあります。
- Adobe Photoshop 以外の外部アプリケーションで画像を編集した場合、予期せぬ動作が発生する可能性があります。
- 仮想化ソフトウェア(例:Parallels、Hackintosh など)上での動作は、システムの不安定を招くおそれがあります。これらの OS 構成でのご使用は推奨いたしません。
- 一部のカメラには、複数回の露光やピクセルシフトによるマルチショット機能が搭載されていますが、Capture One では多くの場合この機能をサポートしておりません。ただし、「スタック」内の単一の RAW ファイルについては、通常のシングルショットとして表示・編集が可能な場合があります。
- ピクセルシフトなどの特殊モードや補助モードは、明示されている場合のみサポート対象となります。提供情報が不十分な場合、または Capture One に関する特殊な情報を必要とされる場合は、captureone.com/supportのサポートセンターまでお問い合わせください。
ファイルサポート(File support)
- HEIC/HEIF サポート
Capture One は、OS が対応している範囲において HEIC/HEIF 形式の 8-bit ファイルをサポートします。Windows 環境でご使用の場合、Capture One における対応を有効化するためには、Microsoft ストアより「HEVC Video Extensions」および「HEIF Image Extensions」の 2 つの拡張機能をインストールする必要がある場合があります。
- Capture One における DNG カラーの扱い
Capture One がネイティブにサポートしているカメラ機種から生成された DNG ファイルには、Capture One 固有のカラー設定が自動的に適用されます。一方、Capture One にネイティブ対応していないカメラの DNG ファイルには、汎用の DNG 標準カラー(DNG Standard Colors)が適用されます。他アプリケーションで埋め込まれた調整や設定情報は、Capture One ではサポート対象外となります。
- その他のファイル形式のサポート
RGB カラースペース以外で作成された TIF/JPG/PSD/PNG ファイルは、Capture One 上で調整を行うことができず、読み取り専用となります。また、レイヤー構造を持つ TIFF および PSD ファイルは表示のみ対応し、再現像を行うとフラット化された新しい画像が生成されます。
- ファイルサイズの制限
閲覧に対応する最小ファイルは、辺の最小サイズが 16 ピクセル 以上である必要があります。編集に対応する最小ファイルは、辺の最小サイズが 512 ピクセル 以上です。最大対応ファイルは 7億1,500万画素 または最長辺 65,000 ピクセル までとなります。
既知の問題
既知の不具合については、Capture One コミュニティ内の専用トピック Known Bugsに一覧が掲載されています。ただし、新バージョンのリリース当日には最新の内容が反映されていない場合がありますのでご留意ください。